B 乾燥させた皮を一〜二日間程水槽に浸け、柔らかくなった繊維と繊維の間を拡げた後、沸騰した湯の中へ入れて一時間程煮る。
C 煮えて飴色になった皮を取り出し、裂いて網目状になったら蓋をして、火を止めて三時間蒸らす。
D 蒸らし終わったら蓋上げをして軽く絞ってたたみ、空気に触れないように袋に入れて冷暗所に一時保存。
E 原料を川等の流水に浸し、水が透明になるまで水洗いをし、搾水を繰り返して灰汁抜きを行う。
F ひとつまみの原料をとり、丹念に表皮やごみを取り除く。
G 軽く搾り、木製の台の上にのせ、端から順にまっすぐ木の棒でたたく。又端から卵焼きのように丸めて、九十度回転させて同様にたたき、四・五回練り返して長い繊維がなくなったら和紙の原料の出来上がり。
H 流しに入れた漉き舟という四角い箱の中に水を入れ、原料を0.2%程度の濃度になるように加え、棒と馬鍬という大きな竹製の櫛で百回程かき混ぜて、原料の繊維を一本一本バラバラにする。
I その中にトロロアオイという粘性の物質を加え紙料液となる。四角い箱には簀(すのこ)がついており、簀を挟んだ漉き桁で握った手の小指の方を奥に向かっ て突き出すようにして、手前の上層の紙料液を少しすくい上げて、簀を平らにした後、すぐ余分な紙料液を手前に捨てる。これで出来る層が紙の表面となる為大 変重要な作業である。(この初めにすくい取る液を「化粧水」又は「初水(うぶすい)という」